ネイリストは、お客様に「美」や「喜び」を提供できるやりがいのある職業です。
セルフネイルが好きであったり、日常的にネイルサロンに通っている方は「自分もネイリストになりたい!」と思う方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、「独学や未経験でもネイリストになれるの?」「どのように勉強すれば最短でネイリストになれるの?」といった疑問について解説します。
CIN GROUPでは、これまで約3,000店舗の美容サロンの集客・経営・採用サポートをおこなってきた実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもネイリストは需要・将来性がある?
ネイリストの需要や将来性について心配される方も多いかと思いますが、劇的に伸びるわけではないものの、引き続き需要はあると想定されます。
理由としては男性でもネイルをする方が増えてきている点、セルフネイル市場が伸びている点です。
性能が高い機材、Youtubeなどで知識を誰でも簡単に得られることから、セルフネイルをする人が増えていくことを考えるとネイリストの価値はどうなるのか心配になる方もいらっしゃるでしょう。
今後この点に関しては技術力はもちろん、オリジナリティのあるデザインの提案など、プロのネイリストにしか提供できない価値を作り出すことが重要になってくると言えます。
ネイリストになるまでの道のり
ネイリストになるまでの道のりとしては、現在の状況や知識・技術・経験値によって、スタートが異なります。
- 専門学校に通う
- ネイルスクールに通う
- 独学で勉強する
- サロンで働きながら学ぶ
ネイルの専門的な知識を得るためには上記のような方法が代表的です。それぞれの勉強方法によって、どのような方に向いているのか解説します。
現状と照らし合わせて、どのようにネイリストになるための道筋を選ぶ参考にしてください。
専門学校に通う
【メリット】
- 時間かけて専門的な知識を得ることができる
- 十分な実技面の習得ができる
- 美容師免許を取得できる
- 就職先を紹介してもらえる
美容系の専門学校は、コースによってはネイル技術を中心としたネイルコースがあります。基本的には2年の在学が必要となりますので、高校卒業後や退職した後に、時間をかけて勉強したい方におすすめです。
2年間の在学時には、知識面だけでなく技術面もしっかりと習得ができるので、卒業後は即戦力としてネイルサロンで活躍できるでしょう。
また、美容系の専門学校はネイルだけでなく、美容師免許の取得までのカリキュラムが充実しています。試験に合格する知識をつけることができますし、免許が必要なアイラッシュサロンや美容室での就職も可能です。
最近では、アイラッシュサロンとネイルサロンが併設されている店舗もあるので、職種の選択肢を増やすことができるのは大きな魅力でしょう。
さらに、専門学校では卒業後の進路相談が充実していたり、提携しているネイルサロンにそのまま就職することができることもあります。
初めて美容業界に就職をする時には、どのように就職活動をすればよいのかわからない状態なので、就職サポートが充実していることは大きなメリットです。
【デメリット】
- 卒業するまでに時間がかかる
- 通学時間がかかる
- 費用がかかる
一方のデメリットとしては、2年間の在学が必要になります。また、基本的に通学が必要で、日中は学校で勉強することになるので、社会人をしながら専門学校に通うのは厳しいと言えるでしょう。
また、卒業までに200〜300万円ほどかかるので、費用面での負担も大きいです。
年齢は関係なく入学することができますが、まとまった時間と費用が必要になることは覚えておきましょう。
ネイルスクールに通う
【メリット】
- 短期間で効率よく学べる
- 費用を抑えることができる
- 目的別に勉強することができる
- 時間の調整をしやすく社会人でも通える
現在、社会人や主婦の方でネイル未経験の方で、最も選ばれる方法としてはネイルスクールに通うことになるでしょう。
ネイルスクールは、ネイルの知識・技術を学ぶことに特化しているので、講義回数や時間が決まっており、3〜6ヶ月程度で最低限の知識を学ぶことができます。
ネイルスクールによって費用の幅はあるものの、人気のコースでは30〜100万円ほどで提供されているので、専門学校よりも費用を抑えることが可能です。
また、ネイルコースの中でも、有名資格を取るためのコースや「ジェルネイルコース」、「アートコース」、「ネイルプロフェッショナルコース」のように目的別に幅広く用意されています。
さらに、受講する時間を自分の都合によって変えることができるので、社会人でも夜間に通うことができるので、現職を辞めずに転職を検討している方に大きなメリットでしょう。
【デメリット】
- ネイル以外の美容知識を得る機会が少ない
- スクールによって講義の質のばらつきが大きい
ネイルスクールは、短期間で目的別に効率よくネイルのことを学べる分、ネイル以外の美容知識について学ぶ機会は少ないことが多いです。
とにかく短期間でネイル知識を身につけて、ネイルサロンに就職したいという方に向いていますが、ネイルサロン以外の美容サロンの就職には弱いと言えます。
特に、通信制のネイルスクールの場合は、実技面での習得に弱いため技術面での習得には向いていません。
また、ネイルスクールによって、講師や講義の質に大きなばらつきがあるかもしれません。
就職する際には、実技レベルのチェックがあることもあります。そのため、価格だけで選ばずに、しっかりと技術を習得することができるスクールを選ぶことが大切です。
独学で学ぶ
【メリット】
- 費用がかからない
- 時間を気にする必要がない
独学は、ネイル道具や教材を全て自分で揃える必要がありますが、全て揃えたとしても3〜5万円ほどで収めることができます。
また、講座の時間を気にする必要はなく、自分の好きな時間で勉強することができるのもメリットでしょう。
前職がネイル関係の職業であったり、知識・技術がそれなりにある方は、資格取得する際に独学でも可能と言えるかもしれません。
しかし、美容系の知識がなく、全くの未経験の状態で独学をしてネイリストを目指すことは、あまりおすすめの方法ではありません。
【デメリット】
- 正確な知識・技術が身につかない
- 資格試験のノウハウが身につかない
- ネイルの一般的な常識がわからない
独学は、自分が得た知識や技術に関してフィードバックをしてくれる存在がいないため、正確な技術を習得することは難しいでしょう。
間違った知識で覚えてしまうと、正しい知識を頭に入れるまでに時間がかかりますし、再度勉強し直す時間が必要になってしまいます。
資格試験を受ける際の段取りやノウハウもないため、一度で合格することも難しいです。
また、一緒に勉強する仲間や講師の存在がないため、情報共有ができずに、揃えるべき施術道具や最新のトレンド情報をキャッチすることも厳しいでしょう。
サロンで働きながら学ぶ
【メリット】
- 実践を効率よく学ぶことができる
- 給料をもらいながら学ぶことができる
実際にネイルサロンで働きながらの方が、技術の習得や経験を効率良く得ることができます。
周りのスタッフ全員が講師と考えることもでき、施術の方法について聞いたり、教えてもらえる環境が整っていると言えます。
現場で働くことで、ネイリストはどのような知識が必要なのかを敏感に感じとることができるのが大きなメリットでしょう。
そして、もちろん働きながらでもお給料をもらいながら、勉強できるため、資金が少ない方には安心できるかもしれません。
【デメリット】
- 給料が低くなることがある
- 求人を見つけることが難しい
未経験で就職できても、すぐにお客様に対しての施術を任されることはありません。基本的には、社内研修を受けた上で、閉店後の練習を経てようやく施術を任されることになるでしょう。
そのため、ネイルサロンに就職することができても、施術をするまでに3〜6ヶ月かかることもあり、最初は事務作業が中心となることもあります。
施術をこなすことができないので、給料が低い状態からスタートすることも珍しくはありません。
そもそも、未経験でネイルサロンに就職・転職の難易度が高いことも懸念材料です。
未経験OKの求人があったとしても、ネイルスクール出身の方や資格保有者が応募してきた場合、そういった方が優先されます。
就職活動をしてから、3〜6ヶ月経過しても就職先を見つけることができないことも多いです。結果的に、スクールに通った方が就職が早く決まるというケースもあります。
ネイリストになるためには何年かかる?
ネイリストは特別な資格を持っていなければなれないわけではないので、誰でもすぐにネイリストと名乗ることは可能です。
ネイルスクールに通いながら技術を習得した方を例に挙げると、1年ほどスクールを経験された後すぐに独立した方もいらっしゃいます。
そのため、集中して技術を習得できる期間が1〜1年半ほどあれば、十分にお客様に施術できるレベルに到達すると言えるでしょう。
ネイリストになるために必要な費用は?
学習方法 | 費用 |
---|---|
ネイルスクール | 10〜150万円程度程度 |
通信講座 | 約5〜30万円程度 |
独学 | 約3〜15万円程度 |
代表的な学習方法について上の表にまとめました。
ネイルスクールはコースも複数用意されており、プロレベル向けの講習を受ける場合や、2年間ほどの受講する場合には高額になるケースがあります。
通信講座や独学は、自分で用意する道具やテキストなどを考慮しても30万円程度もあれば必要なものは揃えられるでしょう。
もちろん独学の場合は、受ける検定の種類や受ける回数によっても異なりますので、あくまで参考程度にしてください。
ネイリストになるためには資格が必要?
先述しているように、ネイリストになるために絶対に取らなければいけない資格はありません。
しかし、実際にネイリストとして活躍されている方の多くは、民間の資格を取得している方が多いのが事実です。
理由としては、サロンのスタッフ要項でも資格取得者を優遇していたり、お客様に安心感を与えられるという側面があります。そのため未経験の方は、資格取得を目指してサロンスタッフや独立に向けて民間資格の取得を目指すと良いでしょう。
次の項目では、人気のネイル資格について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ネイリストになるためにおすすめの資格
ネイリスト技能検定試験(JNEC)
ネイリスト技能検定は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が提供している検定試験です。
実施から25年が経過し、約90万人の方が受験している歴史と実績があるネイリスト向けの試験と言えます。
- 1級:トップレベルのネイリストとして必要とされる総合技術及び知識に関する問題
- 2級:サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術及び知識の問題
- 3級:ネイリストの基本的なマスター。ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識の問題
上記のようにレベルに応じて、1〜3級が用意されており、各級筆記試験と実技試験が行われます。試験時期は春夏秋冬の4回実施されるケースが多く、地方都市での受験も可能です。*
就職・転職活動で、評価されるレベルとしては2級以上あればプラスに評価されることが多いので、まずは2級の取得を目指しましょう。
※2級は年4回、1級は春・秋の2回
JNAジェルネイル技能検定
JNAジェルネイル技能検定試験とは、NPO法人の日本ネイリスト協会が実施している検定です。
JNECの技能検定試験と並び、ネイル業界で広く認知されており、評価の基準となる資格です。
- 上級:ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識・技術の習得
- 中級:ネイルケアとジェルネイルの施術をするために必要な専門知識と技術の習得
- 初級:ネイルケアの基本的なマスター及びジェルネイルを施術するために必要な基礎的知識と技術の習得
JNAジェルネイル技能検定も、ネイリスト技能検定試験のように3つのレベルによって試験が分けられています。
試験時期はどのレベルも6月と12月の2回実施され、筆記・実技試験の両方が行われます。
こちらも中級レベルを取得できていれば、ネイルサロンの就職・転職に有利に働くでしょう。
参考:JNAジェルネイル技能検定試験 | NPO法人 日本ネイリスト協会
ネイリストになるのは難しい?
ネイリストにはなるまでの難易度は、決して簡単ではないが難しくはないというのが答えです。
ネイルスクールならば未経験でも施術できるレベルまで、知識と技術の習得は可能ですし、場合によってはネイルサロンのスタッフの紹介制度まで整っていることもあります。
そのため、本気でネイリストになりたいと思っている方ならば、間違った勉強方法でなければネイリストになれるでしょう。
高校生・未経験でもネイリストになれる?
結論から言えば、高校生や未経験の方でもネイリストになることができます。
高校生ならば、卒業後に2年間しっかりと専門学校で知識・技術を学ぶと良いでしょう。
社会人で転職を検討している方や、主婦の方でネイリストを目指す方もネイルスクールをうまく活用して、資格の取得すれば比較的スムーズに転職が可能です。
上記で説明しているように、自分に合う勉強方法で知識・技術を学びながら、ネイル業界で人気の資格を取得することが、ネイリストになるために重要でしょう。
ネイリストになる前に知っておきたい3つのこと
給料
ネイリストの平均年収は約300万円と言われており、年代別でフォーカスしてみると20代が200〜240万円、30代が300〜360万円程度です。
給料は、地域やサロンの規模によって変わりやすいところではありますが、初任給は額面で18万円が多いです。また、ボーナス支給を行っているサロンは少なく、あってとしても額は大きくはないでしょう。
他業種と比べると、決して給料が良いとは言えないものの、歩合制のネイルサロンならばお客様からの指名を増やすことで給料UPも期待できます。
また、ネイリストのように美容業界では、十分な知識や経験を得た後は、独立をして収入を増やすケースが一般的です。
ネイリストになった時から、どのようにキャリアを歩んでいくのかをイメージしながら働くことが大切でしょう。
参考:ネイリストの給料は低い?高い?働き方で大きく変わる”ネイリストの収入”
休み
休みは月に6〜8日ほどが平均ですので、週に1、2日は休めることが多いです。
シフト制のネイルサロンが多いので、土日などの続けての連休が取りづらいことも店舗によってはあります。
それでも、月に1,2回は続けての休みや土日休みをもらえるサロンも増えてきているので、気になる方は面接時にしっかりと確認しておきましょう。
働き方
基本的には正社員として働くケースが多いですが、アルバイトやパートの方も多くいらっしゃいます。
美容学生なども店舗によっては雇ってくれることもあるので、経験を得るためにおすすめのバイトと言えるでしょう。
ネイリストの働き方も徐々に多様化してきており、開業して自分の店舗を持ったり、講師になったりだけでなく、フリーランスとして活動される方も多くなっています。
近年ではSNSの普及によって、自分のネイルデザインを発信することも容易となりました。
インフルエンサーの方や有名人の方から直接声をかけられて、専属のネイリストになるということもあるようです。
まとめ
この記事では、ネイリストを目指す方のために、どのように勉強をすれば良いのか、ネイリストの働き方などについて解説しました。
未経験でも、短期間でしっかりと知識・技術を学び、資格を取れば、需要もある業界なのでスムーズに就職することができるでしょう。
未経験だったり、新しい業界に挑戦する時には誰しもが不安でいっぱいです。
ネイリストは、お客様に「美」や「喜び」をサポートできるやりがいのある職業で人気なので、人を幸せにしたいと強く思っている方は、頑張ってネイリストを目指しましょう。
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