整体師として開業するために、「何か特別な資格はあるの?」「開業する際に何か注意すべきことはあるの?」といった疑問を持っている方は多いでしょう。
この記事では、整体師を目指している方や、独立して開業を目指す方に向けて、
- 整体師は資格が必要なのか?
- 国家資格を持っていないとできないこと
- 持っておくべき民間資格と取得方法
などについて詳しく解説していきます。整体師として独立を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
整体師とは
整体師(せいたいし)とは、日本において、整体と呼ばれる手技療法を施す施術者のことです。
整体は、身体の歪みを矯正したり筋肉の緊張を緩めたりすることで、健康の改善や維持を目指す施術法となります。具体的には、以下のような特徴があります。
- 手技療法
- 身体の歪みを矯正
- リラクゼーション効果
日本では、整体師は国家資格ではなく民間資格に基づく職業です。そのため、国家資格が必要な柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師などとは異なり、資格取得の条件や教育内容は団体ごとに異なります。
整体師が資格がなくてもできること
整体師はゆがんでいる関節や骨格を、手や足を使って矯正する技術を持ち合わせている方を指します。
整体には、国家資格を持っていないとできない施術と、国家資格を持っていなくてもできる施術の2つに分類することができます。
まずは、国家資格を持っていなくても大丈夫な施術を簡単に紹介していきます。
もみほぐし
もみほぐしとは、言葉の通り筋肉を揉むことで疲労回復やリラックス効果を目的に行う施術のことを指しています。
後で詳しく説明しますが、「マッサージ」は治療目的(医療行為)に当たるため、国家資格を持っていなければいけません。
一方のもみほぐしは治療目的ではなく、あくまで筋肉をほぐし血行の改善(癒し効果)が目的です。
「仕事や運動で疲れを感じている…」という方が通う店舗は、もみほぐしのお店を選んでいるということになります。
リラクゼーション
リラクゼーションサロンは、癒しを目的とする幅広い業種が当てはまります。
すでに説明したもみほぐしもリラクゼーションサロンの一部ですが、他には下記のような店舗があります。
- リフレクソロジー(足つぼ)
- カイロプラクティック
- アロマセラピー
- ヨガスタジオや温浴施設
こういった業種は施術する際に、国家資格を保有していなくても施術をすることは可能です。
整体師に資格はいらないの?整体師が資格を取得するメリットは?
信頼を得ることができる
資格を取得していることで、顧客や患者に対して安心感や信頼感を与えることができます。
整体業界では国家資格が不要なため、民間資格の有無が施術者の知識や技術の証明になる場合があります。特に新規顧客に対しては、「この施術者なら安心できる」と感じてもらえることが、顧客獲得やリピートにつながります。
知識や技術が向上する
整体師の資格取得の過程では、解剖学や生理学、施術方法、姿勢分析など体系的な知識と実践的な技術を学びます。
このような学習を通じて、自分の施術の幅が広がるだけでなく、自信を持って施術に臨むことができるでしょう。
また、資格取得後もスキルアップのための講座やセミナーが提供されることが多く、継続的な学びの機会が得られるのも魅力的です。
幅広い施術を行うことができる
資格取得を通じて学んだ技術を応用することで、肩こりや腰痛の緩和だけでなく、姿勢矯正やスポーツパフォーマンスの向上、リラクゼーション効果を目的とした施術などさまざまなニーズに応えることができます。
これにより、幅広い顧客層に対応できるため、自分の施術の可能性が広がります。
開業しやすくなる
民間資格を取得していると、整体師として独立開業する際に有利です。
資格を持っていることは顧客にとっての信頼の基盤となるだけでなく、集客の際にも強力なアピールポイントになります。
また、一部の民間資格を取得する過程では、経営や法律の基本などの開業に必要な知識にについても教えることがあるため、スムーズに開業準備を進めることができます。
年収が上がる
資格を取得することで、顧客からの信頼度や施術の質が向上し、リピート率が高まることで収入の安定につながるでしょう。また、資格保持者向けの専門的な施術を提供できるようになれば、顧客単価を上げられる可能性もあります。
さらに、信頼性の高い施術者としての地位を確立すれば、口コミや紹介での集客が増え、結果として年収の向上が期待できます。
まだ、開業を検討していない段階だとしても、スタッフとして働く上で資格を持っている方とそうでない方には収入の差があるので、何も持っていないよりは民間資格を1つは取っておくのは収入を上げる上で重要でしょう。
整体師が持っていると良い民間資格は?費用や難易度を紹介
資格を持っていなくても整体師になることはできますが、知識を持っているアピールをする上で民間の資格を持っておくとお客様から信頼を得やすいです。
そこで整体師として活躍していく上で、代表的な民間資格を3つ紹介します。
整体師
民間の整体師の資格は、MTC療術師協会認定する専門学校に入学し、コース修了後に試験に合格する事で取得することができます。
体の矯正に関する知識やストレッチ法といった実技の他にも、基礎解剖学や生理学の知識を学びます。
コースの費用は35〜70万円ほどで、取得にかかる時間は36〜108時間程度で資格取得が可能です。
参考:東京MTC学院
療術師
療術師は、背骨や骨盤などの骨格や筋肉の矯正や電気療法によって、自然治癒力を高める施術をするための知識が必要になります。
目的や期間によって費用は幅広く設定されておりますが、手に職をつけるレベルだと半年間で4,50万円〜程度でしょう。
参考サイト:東京療術学院
整体セラピスト
整体セラピストの資格は、日本整体セラピスト協会が認定するスクールで、コースを修了後に取得することができます。
推薦状が送られてきますので、それと同時に会員になることができ、療術師として開業することが可能となります。
参考サイト:日本整体セラピスト認定協会
国家資格を持っていないとできないこと
整体師の資格は、国家資格は必要なく全て民間の資格で取得することができます。
ただ、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師といった国家資格と混同しやすいため注意が必要です。
開業するだけならば問題はないものの、国家資格を持っていないのにも関わらず医療行為を行なってお客様を怪我させてしまうと罪に問われる可能性があります。
こちらの項目では、国家資格を持っていなければできないことや、注意しなければいけない事について解説しています。
柔道整復
柔道整復は、主に骨折、脱臼、捻挫などの怪我の治療を目的としています。
柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師を保有している方は、主に整骨院や接骨院を開業する方が多いです。
これらの資格を持っていることで、屋号に「整骨」「接骨」ならびに「マッサージ」といった文言を掲げることができますが、整体師は使用することができません。
あん摩マッサージ指圧
あん摩マッサージ指圧は、肩こりや腰痛を押す・揉む・叩くといった手法を使って体の不調を改善することが目的です。
もみほぐしとの違いが曖昧だと感じるかもしれませんが、医療行為ですので保険が適応されます。
整体師は、あん摩マッサージ指圧師を連想させるような「あん摩」「マッサージ」「指圧」などの言葉を使用することは禁じられています。
鍼灸
上記2つの他に、混同されやすい国家資格では鍼灸師があります。
鍼灸は、「はり」や「きゅう」を使って、体のツボを刺激することで自然治癒力を高める方法です。
鍼灸も医療行為に分類されるため整体師は施術をすることはできません。
資格の取り方
通信講座
メリット | デメリット |
---|---|
・時間を有効活用できる ・費用が安価 |
・就職サポートに不安がある ・実技に弱い |
民間資格の場合、通信講座での資格取得を目指したコースが用意されています。
通信講座のメリットは、空き時間を有効に活用できるため、他に仕事をしている方でも通うことができることでしょう。
また、費用面から見ても通学よりも安く抑えられる傾向があります。
一方で、就職を目指している方なら就職・転職サポートの手厚さや実技の面で不安が残ります。
通学
メリット | デメリット |
---|---|
・就職のサポートをしてくれるところも多い ・実際に見て学べる |
・時間に縛られる |
目指す資格の認定学校に直接通うメリットは、実際に見て学べることでしょう。
整体師は知識だけでなく、実際に自分の体や機械を使って施術する必要があります。実技面でのスキルは通学での方が実力をつけることができます。
また、就職・転職サポートが充実しているため、コース修了後に就職先を紹介してくれることも魅力的です。
ただ、授業・通学時間が決まっているため、仕事をしながら学校に通うのは難しいかもしれません。
整体師はやめとけといわれることはある?
収入が安定しないことがある
整体師に限らず、美容系やリラクゼーション系のサービス業は収入が安定しないことが「やめとけ」と言われる大きな理由の一つです。
2024年現在では落ち着きましたが、コロナ渦には接客業は大打撃を受けましたが、整体はお客様との距離が近くより大きなダメージを受けました。
さらに、業界柄個人店舗が多く、休暇の制度が整っていないことも多く、体調不良やライフスタイルの変化で働く時間が短くなってしまうと大幅な収入の減少につながってしまうことも珍しくはありません。
このように、他の業界の働き方と比較すると、収入が安定しない要因が数多くあるのです。
競争が激しい
リラクゼーション系の美容サロンを合わせると、整体関連の店舗はコンビニの件数よりも多いと言われており、競合店舗が多いのが事実です。
そのため、他店との差別化や戦略的な集客対策ができなければ、他の店舗に埋もれてしまい、利益を残す体制は難しいでしょう。
身体への負担
整体師は力仕事でもあるため、若いうちは良いですが、歳を重ねるごとに整体師の仕事を続けるのは難しくなってくるかもしれません。
キャリアアップの方法は大きな店舗でマネジメント職につくか、自分の店舗を持ち経営者側に回らなければ体力面と収入面でも厳しいはずです。
特に女性の場合は身体的な負担が大きくなることが考えられるため、早いうちからキャリアについて考える必要があるでしょう。
整体師に向いている人は?
学習意欲がある人
整体師も新しい施術方法を学んだり、日々更新される解剖学の知識を頭に入れ続ける必要はあるでしょう。
例えば、スポーツをやっている人をターゲットにしている場合は、スポーツの種目に応じて必要な体のメンテナンス方法は異なります。
お客様ごとの体の悩みを解決するために学び続ける姿勢が重要です。
人を助けることに喜びを感じる人
整体にお金を払ってまで通ってくれるお客様には、解決したい悩みを持っています。
日々の体の痛みや、リラックスできていない状態を少しでも改善したと感じてもらえることができれば、整体師として大きなやりがいを感じられるでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
整体師は施術中はお客様との距離が近いだけでなく、綿密にお客様とのコミュニケーションを取りながら、体の悩みに答えなければいけません。
そのため、技術力だけでなく、コミュニケーション能力も必要不可欠です。
お客様の悩みに興味を持ち、自分自身の悩みのように感じられる方は整体師に向いていると言えるでしょう。
資格があることによって変わること
信頼感を得られる
整体師は資格が必要ないとは言っても、資格を持っている人とそうでない人ではお客様からの信頼感が明らかに異なります。
独立・開業を目指している人ならば、スタッフを募集する際にも、店長が資格を保有しているかをチェックしている方が多いです。
開業しやすくなる
整体に関する資格のコースでは、開業する際の知識や整体院を運営していく知識も学ぶことができます。
さらに、資格を保有していることでプロフィールに書けるため集客がしやすいです。
店舗に勤めてから開業する時には固定客もついているはずですし、十分な知識もあるためスムーズに開業ができるでしょう。
年収が上がる
今すぐに独立をしたいと思っていない方でも、有資格者だと勤め先での給料が他の方よりも高い可能性があります。
また、資格を持っていることでお客さんから指名されることが増えれば、歩合制でも有利になるでしょう。
まとめ
もみほぐしやリラクゼーションサロンのような「癒し目的」の施術は、国家資格は必要はなく、「治療目的」では、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師のような国家資格を持っている必要があります。
整体師は民間の資格のみで目指すことができますが、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師と混同しやすいため、両者の違いもしっかりと押さえておきましょう。
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参考記事
・マッサージサロンの開業を検討している方必見!必要な資格や集客方法を解説!
・リラクゼーションサロンの独立・開業するために必要な資格・資金は?
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