まつエクサロンを開業したいと考えている方は、サロンに必要な資格や注意点を知りたいと思います。
この記事では、まつエクサロンの開業に向けて知っておくべきことを紹介します。まつエクサロンの開業に興味がある場合は参考にしてみてください。
マツエクサロンの開業については下記の記事でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
参考記事:マツエクサロン開業で必要な資格と成功のためのポイントは?
目次
まつ毛エクステなどアイサロンの施術に必要な資格や登録
まつ毛エクステなど目元のケアを行うプロフェッショナルのことを「アイリスト」と呼びます。
アイリストは以前まで資格がなくても実施できるサービスでしたが、現在は美容師免許が必要となり、免許不所持で施術をすることは認められていません。
ここからは、まつ毛エクステを行うアイリストになるために必要な免許と、アイサロンを開業させるために必要な登録について説明します。
美容師免許について
美容師免許は国家試験であり、美容学校を卒業することで取得できる資格です。
取得までに必要な期間は最短2年1ヶ月。年に2回の2月と8月の国家試験で取得します。
ほとんどの場合は、美容学校に在学中にこの試験に合格しますが、美容師免許の申請手続きには1ヶ月程度の時間が必要なため、2年1ヶ月が最短スピードになるのです。
美容師免許の取得に年齢制限はありません。しかし、美容学校の入学条件に「高校卒業以上」と定められていることが多いので、実際には高卒以上の学歴が必要なことになるでしょう。
美容所登録について
まつエクサロンを開業するには、美容師免許以外にも必要なことがあります。
日本では「美容師が美容行為を行う場所には所定の要件を満たす必要がある」と定められており、美容所登録をして認められなくてはサロンを開くことができないのです。
必要な条件はエステを開業する地方自治体によって変わることがありますが、基本的には下記のような内容になります。
美容師の免許
複数の美容師が務める場合には、1人が管理美容師としての資格を取得しなくてはいけません。
管理美容師は、美容師免許取得後に3年以上美容の業務を経験し、厚生労働大臣の求める基準に従って都道府県知事が指定する講習会に参加することで取得できます。
講習は3日間かかりますが、テストなどはありません。また、サロンの美容師が1人の場合には管理美容師がいなくても良いことになっています。
床面積
美容業務を行う1作業室は13平方メートル以上でなくてはいけません。
いすの台数
1作業室が13平方メートルの場合、6台までのいすを設置できます。
7台以上のいすを設置する場合には、1つのいすごとに3平方メートル以上の面積を加えなくてはいけません。
客の待合所
作業室には極力、作業中の客以外が出入りしないようにします。作業中の客と作業前の客が区別できるように、待機場所を設けます。
床、腰板
タイル・コンクリート・リノリュームまたは板等不浸透性材料を使用します。
洗場
業務専用の流水装置を用意します。
採光・照明・換気
換気・採光・照明を行い、美容師が作業を行う場所の照度は100ルクス以上にします。
また、美容室内の炭酸ガス濃度は0.5%以下に保つ必要があります。
格納設備
消毒済物品容器と未消毒物品容器を備えなくてはいけません。
汚物箱・毛髪箱
蓋のついた汚物箱及び毛髪箱を用意します。
消毒設備
消毒設備を用意します。
【消毒方法】
- 沸騰後2分以上煮沸する
- エタノール水溶液(76.9%〜81.4%)に10分間以上浸す
- 次亜塩素酸ナトリウム0.1%以上の水溶液中に10分以上浸す
その他
保健所職員の立ち会い検査があるため、業種によって違いはあるものの、上記の項目を厳守する必要があるのです。
マンションの一室や、自宅の一部をまつエクサロンとして活用したいと考えた場合、住居用スペースと美容所用スペースは明確に分離している必要があり、一軒家の場合は専用の出入り口を用意しなくてはいけません。
まつエクサロンは気軽に開業ができる印象を持っている方が多いようですが、実際にはいくつもの要件をクリアしなくてはいけないということです。
美容師以外であったほうが良い資格
まつエクサロンの開業に必要なのは美容師免許であるとお伝えしましたが、美容師免許の取得のみでは目元ケアについて十分な知識がつきません。
つまり、美容師免許を持っているということは最低限の条件であり、アピールポイントとは言えないでしょう。
まつエクサロンを開業するにあたって、自分の技術をアピールできる資格は下記のようなものです。技術の向上にもつながりますので、ぜひ取得を検討してみましょう。
アイリストの資格
まつエクの施術をするためには、美容師免許さえ持っていれば施術を行うことができます。
実は、まつエクはもともと無資格でも施術が可能でした。ただ、まぶたの腫れといった衛生管理や目の充血といった問題が多発したこともあり、2008年から目に関する施術では美容師免許の取得が必要となったという経緯があります。
最初からアイリストを目指している方は、美容師免許を取得した後に、アイリストスクールに別で通って資格を取得する方が多いです。
アイリストの民間の資格は下記のようなものがあります。
もちろん、アイリストスクールに通わずに店舗で実践経験を積むという選択肢もありますので、より専門性を高めたい方は資格取得に励むとよいでしょう。
民間のアイリスト資格を取得する方法と難易度
取得方法:民間の講座に通って勉強を続ける
アイリストの専門学校の他に施術知識を学べる場所としては、美容サロン直営のスクールなどがあります。
短期間で最低限の技術を身につけるショートコースや、独立開業を支援するコースまで選択肢が豊富です。
そのため、美容師免許をすでに持っている方は、本業をしながら学べる民間の講座のみを受ける方も多くいらっしゃいます。
また、マツエクサロン直営のスクールの場合は、卒業後そのまま就職に繋げることができる可能性も高まります。
難易度:まつ毛エクステンション技能検定
これまでも説明したように、まつ毛エクステは美容師免許を持っていれば施術をすることは可能です。
ただ、アイリストとして活躍したいと考えている方が、民間の資格を取得しておくことで正しい技術と知識を兼ね備えているというアピールにも繋がります。
それでは、日本アイリスト協会のまつ毛エクステンション技能検定の難易度はどの程度なのでしょうか?
3級
試験内容は、まつ毛エクステンションの概要や基本的な知識について筆記試験のみで行われます。
なお、3級は美容師免許を持っていなくても受験することが可能です。プロレベルの施術をする方向けというよりは、お客様にマツエクの知識を伝えたり、相談に乗ることができるレベルとされています。
2級
試験内容は、専門知識に加えプロの技術に関する筆記試験と、実技試験によって行われます。
3級では、美容師免許を持っていなくても受験可能ですが、2級からは美容師免許を取得していなければ受験することができません。
より実践向きのため、アイリストとしてまず目指すべきレベルでしょう。2020年の合格率は約57%です。
1級
一級はマツエクに関して、トップレベルの技術と知識を持っていることが認められる業界最難関の資格と言えます。
試験内容は、技術や知識に関する筆記試験と、特にスキルが試されるアレンジアートを必要とした施術の実技試験によって行われます。
受験資格は、現JEAの個人正会員で2級保持者が受験することが可能です。2020年の合格率は38%となっています。
参考:日本アイリスト協会
スタッフを雇うときに気を付けること
まつエクサロンを開業してスタッフを雇う場合には、個人事業主であっても労働保険に加入しなくてはならず、スタッフが5名以上になると社会保険も用意する必要があります。
スタッフを雇用するには接客や技術のムラが生まれないようにする以外にも多くの注意点があるのです。
自宅をサロンにする場合の注意点
自宅をサロンにする方法では、サロンを建築する・借りる方法よりも低コストで気軽にサロンを始めることができます。
しかし、実際には守るべきポイントや注意点がありますので、事前に理解しておきましょう。
無許可営業は許されない
先ほどもお伝えしたように、法律が変更される前までは、まつ毛エクステは免許がなくても施術が可能だったことから、その誤った知識を持ったままの方もいるようです。
しかし、美容師免許がなくては無許可営業となり、営業停止・罰金・前科が課せられてしまうのです。必ず美容師免許を取得してからまつエクサロンの開業を考えましょう。
美容所登録に則った対応を行う
美容行為を行うサロンは美容所としての基準を厳守し、美容所登録をしなくてはいけません。もし美容所登録を行わなければ無許可営業と同じような処分が課されてしまいます。
開業したいと考えている場所が美容所登録に必要な基準を満たしていないのであれば、きちんとした対応を取りましょう。
水道設備を整備する必要がある
自宅サロンの場合は、自宅スペースとサロンスペースを明確に分けなくてはいけません。そのため、水道設備も自宅で利用しているものではなく、サロンで使用する専用の設備として準備する必要があるのです。
集客が難しい
自宅サロンの場合、立地も繁華街と離れることが多く、ふらりとお客様が立ち寄るような環境が用意しにくいです。
まつエクサロンがあるということもアピールしにくいため、独自の集客方法を考える必要があるでしょう。一般的にはインターネット・SNS・口コミを駆使して、サロンの宣伝活動が行われています。
まとめ
まつエクサロンを開業するために、必要な資格と登録について説明いたしました。
アイリストとしてお客様に施術を行うには美容師免許が必要ですが、プラスアルファの資格を持っていると自分自身の技術をアピールしやすくなるでしょう。
まだ美容師免許を持っていない方は、美容師免許とアイリストの資格の両方を取得できる美容専門学校を選んでおくことをおすすめします。自宅でまつエクサロンの開業を考えているのなら、まずは美容所登録の条件をよく確認し、対応できる環境を整えておきましょう。
当サイトの記事は一部PRを含む場合があります。