鍼灸院を運営している経営者の方たちにとって、安定した運営を続けていくためには集客対策が必須です。
しかし、これまでマーケティングを学んだことがなかったり、鍼灸の施術は『あはき法』によって広告制限があったりなどして「思ったように集客できない…。」と悩んでいている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、鍼灸師の方向けにマーケティングの基本知識や集客の活かし方、広告を出す際の注意点について解説します。
目次
鍼灸院が抱えている『患者が来ない!』問題の原因
「患者が来ない!」と悩んでいている経営者は、開業さえすれば患者さんが来てくれるという考えをお持ちの方が多いように思います。
経験豊富な鍼灸師の方でも、マーケティングについての知識を持っていない方がほとんどで、下記のことを具体的にイメージできていないことが原因です。
- どのように鍼灸院の存在を知るのか
- どのような目的を持って鍼灸院を探しているのか
- 興味を持っていることはどのようなことなのか
- どのような理由があって予約(来院)するのか
「患者が来ない。」というのはあくまで経営者側の目線ですので、自分なら『どのような鍼灸院に行きたいと思うのか』を考えてみましょう。
患者目線で鍼灸院の存在を知ってから、来院するまでの流れを理解することで、集客対策を段階に分けて行うことが大切なのです。
鍼灸院が集客時に広告を出す時の注意点とポイント
集客に力を入れるためには広告を出すことになります。広告物に関しては下記のようなものが該当します。
- チラシ/看板/ポスター
- 地方情報誌
- ホームページ
- Google広告(リスティング広告)
- SNS広告(instagramやYoutube)
- クーポンサイト(ホットペッパービューティーなど)
チラシや看板、地方情報誌といったオフラインでの広告よりも、SNSやGoogleの検索画面上での広告が一般的となっています。
広告を出す際の注意点としては、鍼灸の施術ははあはき法の広告制限の対象となるため、NGワードなどは事前に確認しておきましょう。
あはき法についての詳しい広告制限は、下記の参考記事に掲載しているため、詳しい内容については省かせていただきます。
簡単にまとめると、あはき法によって鍼灸院は厳しい広告制限がありますが、規制の概念が複雑であるということです。
また、1947年に作られた古い法律であることから、最近発達したオンライン上の広告制限については曖昧になっています。
チラシや看板などは厳しく制限されていますが、ホームページに掲載されている情報は広告と見なさない*とされているため、オンライン上での集客対策が売上を伸ばす上で大きなポイントとなるでしょう。
※あはき法のオンライン上の広告について議論を重ねているため、日々情報は更新されています。あくまで現段階での解釈ですので、厚生労働省の最新情報をご確認ください。
鍼灸院の経営を成功させる集客方法
鍼灸院が広告を出す際の注意点について説明したところで、この項目では、集客できないと悩んでいる経営者の方向けに、どのような方法があるのかを解説します。
オフライン集客
オフラインの集客の方法をまとめると下記のようなものが挙げられます。
- 看板
- チラシ(ポスティング)
- 地方情報誌
これらの方法は昔から集客対策として一般的な方法ですし、今でも住宅街や高齢者の方向けの集客対策として有効です。
オフライン広告は、コストと手間をかけずに集客に結び付けられるというメリットがある反面、先述しているあはき法によって厳しい規制があり、記載できる情報は限られます。
周辺住民の方に鍼灸院の存在を広めるために開業時や、一定期間を置いてからなどタイミングが良い時に活用すると良いでしょう。
オンライン集客
今やオンラインでの集客が一般的となりました。代表的な方法としては下記のようなものが挙げられます。
- ホームページ(SEO対策)
- Googleリスティング
- GoogleMap(MEO対策)
- SNS運用
- 動画運用
- クーポンサイト/口コミサイトでの掲載
オンライン集客は、特に若い世代の集客に強く、どれだけの効果があるのかを数字として可視化できるため、次はどのような対策をするべきなのかやどの層に効果があるのかを判断できるというメリットがあります。
ホームページでの集客
ホームページは、店舗運営の信頼獲得やブランディング効果が高く、資産性が高いことが特徴です。
自由に掲載する内容を決めることができますし、ブログ記事を定期的に掲載することで、GoogleやYahoo!検索で上位表示させることができれば予約数UPにも繋がります。
しかし、自力で質の高いホームページを作成するには、知識や手間、コストがかかってしまうことがデメリットです。
外注することでクオリティの高いホームページは作成できるものの、必要以上の機能やデザインを求めると費用が大きくなってしまう可能性も…。
また、情報更新やSEO対策の知識を持っていないと、集客に活かしきれないこともあるので注意が必要です。
Googleリスティング
ホームページを持っている場合には、Googleリスティング広告も有力な集客方法の1つです。
日常的にGoogle検索をしている方ならイメージしやすいかと思いますが、検索結果の上部に『スポンサー』や『広告』と記載されているものがリスティング広告です。
1クリックあたりでコストが発生する仕組みで、広告にかける費用を調整しやすいですし、検索のキーワードを限定することで見込み客を獲得できる可能性が高まります。
Googleリスティングも運用するためには知識が必要になること、外注するとなると手数料が発生してしまうというデメリットも覚えておきましょう。
GoogleMap(MEO対策)
地図検索アプリの中でも最も利用されているのはGoogleMapですが、最近ではGoogleMap検索から集客に結びつくケースが多くなっています。
- 自宅から近い鍼灸院を探している
- 口コミを参考にしたい
- 店舗情報を確認したい
上記のような情報を、GoogleMapではすぐに検索できるため、検索結果に表示させる対策をしっかりと行いましょう。
これはMEO対策と呼ばれますが、ホームページの上位表示(SEO対策)よりも短期間であまり手間をかけずに対策することが可能です。
Googleビジネスプロフィールの設定を行い、口コミが投稿されることで上位表示の可能性は高まりますので、忘れずに対策を行いましょう。
SNS運用
SNS運用は、若い方の集客に非常に有効な方法です。
ホームページ代わりに活用する店舗も増えていますし、写真や短い動画を活用することで視覚的に訴求できるという特徴があります。
定期的に情報を投稿することでフォロワーが増え、拡散性や話題性もUP。SNS上でそのままメッセージのやりとりができますし、キャンペーンの時にはダイレクトメッセージの送信によって来店を促進することも可能です。
若い方をターゲットにしている鍼灸院の方は積極的に活用しましょう。
動画運用
Youtubeの動画コンテンツを増やすことも、近年のマーケティングにおいて重要な集客方法として注目されています。
写真よりも具体的な視覚情報を伝えることで、施術の変化や雰囲気を感じてもらえることが特徴です。
動画作成は編集技術や撮影の手間が大幅にかかるデメリットもありますが、大きな集客効果を得られるので技術がある方は、ぜひ挑戦してみましょう。
クーポンサイト/口コミサイトでの掲載
上記で紹介してきた方法は基本的に自力で集客をする方法ですが、クーポンサイトは媒体の集客力を活かして顧客獲得する広告方法です。
月額料金や一件の予約に応じて支払うなど、媒体によってかかるコストは変わります。
集客や経営サポートなどのコンサルティングを行なうホットペッパービューティーなどが有名です。
しかし、あはき法に該当する鍼灸院の場合は、クーポンサイトに掲載できないこともあるので、お問い合わせをして確認してみましょう。
鍼灸院の経営を成功させるのは新規集客だけではない
上の項目では、実際に集客方法について解説しましたが、主に初めて来院する新規顧客に向けた集客方法です。
しかし、長期的に安定した経営を目指すためには、リピート顧客を増やすことが最も重要なポイントとなります。
新規集客にはコストや手間がかかるため、リピート率が悪いと宣伝広告費と人件費を減らすことはできません。
そのため、新規集客とリピートを増やすための対策を同時に行うことが、売上をアップさせることが大切です。
顧客満足度を向上させ、リピート率を向上させる方法は下記記事で解説していますので、併せてご覧ください。
まとめ
この記事では、集客できないと悩んでいる鍼灸経営者向けに、集客方法について解説しました。
お客様の立場から『どのように店舗の存在を知るのか』、『どのようなことに興味を持っているのか』、『来院の目的や求めることは何か』を理解して対策することがポイントです。
鍼灸院などの治療院、リラクゼーションサロンの増加によって来院者を増やすことが難しい中で他院との差別化を行い、選ばれる鍼灸院経営のための集客を意識しましょう。
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