鍼灸院では、患者の身体の不調に応じて、ツボに鍼や灸を用いて症状を緩和する東洋医学の施術を提供します。
これまでは保険適用の施術のみを提供している治療院が一般的でしたが、最近では保険適用以外に、小顔矯正などの美容鍼灸が人気です。
需要の増加に伴い、美容鍼灸をメニューとして取り入れて、売上をアップさせたいと思っている鍼灸院の経営者も増えています。
保険適用でない分、多くの方をターゲットにできますが、集客する際に問題となるのが美容鍼の『広告制限』です。
この記事では、美容針で集客したいと思っている経営者の方向けに、注意すべき広告制限や美容針での集客方法について解説します。
CIN GROUPでは、これまで2,000店舗以上の美容サロンの集客、経営サポートを行ってきた実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
目次
美容針の需要増加の背景
近年、女性だけでなく男性の間でも美容に対する意識が高まりを見せており、様々なニーズに応えるために多種多様な美容サロンが展開されています。
SNSの広まりによって、自分の理想の容姿を目にすることも多くなっただけでなく、昔と比べると容易に美容の世界に踏み込める環境となりました。
美容意識が高い方だけが、美容整形やエステサロンに通うのではなく「今よりも綺麗になりたいから行ってみよう。」という感覚に変化し、誰でも気軽に試すことができる雰囲気に変化しているのです。
美容鍼灸も例外ではなく『美容針』と呼ばれ、顔のたるみやしわ改善、むくみを取り小顔矯正に効果的と注目されています。
エステサロンとは異なり、鍼灸師の国家資格が必要であることから、美容業界の中では競合が少ないことが特徴です。
需要よりも供給が少ないこともあり、施術メニューの単価を上げても集客できることも魅力的でしょう。
美容針は広告制限の対象になる
需要が高まりつつあるならば、積極的に広告を出して集客を促進しようと思っている方も多いはずです。
しかし、美容鍼は保険適用外の施術とはいえ『あはき法』の広告制限の対象になります。
つまり、美容業界で人気の脱毛や痩身、ネイルやマツエクのような人気業態のように簡単には広告が出せないのが現状です。
あはき法の広告制限は非常に厳しいことで有名で、もし制限されている内容を広告として出してしまうと営業停止や罰金などの行政処分を下されることもあります。
これは保険適用のメニューを提供せず、美容針のメニューを専門とする店舗も場合も同様ですので注意してください。
下記項目では、あはき法の制限について解説します。
あはき法の広告制限とは?
この項目では、実際に広告の定義や、どのような内容が広告として掲載できるのかについて紹介します。
美容鍼灸においても、鍼灸の施術であることは変わりないため、広告制限の対象となりますのでしっかり確認しておきましょう。
広告の定義
- 【誘引性】患者の受診などを誘引する意図があること
- 【特定性】医業や医業類似行為を提供する者の氏名や名称、病院・施術所の名称が特定可能であること
- 【認知性】一般人が認知できる状態にあること
上記3つの要件を満たす場合、広告に該当するものと定義されています。
あはき法のガイドライン | 厚生労働省
あはき法のガイドラインによれば、あはき法に該当する業種が広告掲載できる内容は下記の通りです。
- 柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師である旨
- 施術所の名称
- 施術日(営業日)または施術時間(営業時間)
- ほねつぎ(接骨)
- 医療保険療養費支給申請ができる旨
- 予約に基づく施術の実施
- 休日又は夜間における施術の実施
- 出張による施術の実施
- 駐車設備に関する事項
鍼灸院の運営に関して基本的な情報のみとなります。そのため、来院者を増やすような割引やキャンペーンのような誘引性がある内容は掲載できないことになるのです。
よく規制の対象となるのは、施術者の経歴(出身校や実績)や具体的な施術の内容などが挙げられます。
広告に掲載できる内容の中に、施術者の経歴は含まれていないですし、施術の内容についても記載されていません。
もちろん、一般的な広告のキャッチコピーである『人気No.1』『〇〇%引き』のような文言も使用できないため注意が必要です。
参考:あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等 | 厚生労働省
広告に該当するもの
広告に該当するものの例としては、下記のようなものが挙げられます。
- チラシ、パンフレット*、ダイレクトメール
- ポスター/看板
- 新聞や雑誌などの出版物
- インターネット上の広告*
- セミナーなどの説明会
※院内で配布するものを除く。
あはき法は、1947年に作られた古い法律のため、チラシや看板といったアナログな広告を規制した法律です。
しかし、最近ではインターネットやSNSといった広告も規制の対象となっています。*
現在、ホームページは広告制限の対象外とされているので、あはき法の規制対象となる内容についても記載が可能です。
ただし、現在においても検討会が定期的に開催され、その度に解釈が変わることもあるため常に最新情報を確認するようにしましょう。
もちろん、あはき法の広告規制だけでなく、景品表示法や薬機法などの法律を遵守し、誇大広告にならないことが前提です。
下記記事であはき法の広告制限について詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
美容鍼灸院はホットペッパービューティーに掲載できる?
これまでの項目の中で、美容鍼灸はあはき法の広告制限の対象となり、通常の美容サロンのような集客対策が難しいことがお分かりいただけたかと思います。
わかりやすい例としては、美容業界の予約サイトではホットペッパービューティーが最も集客力が高いことで知られていますが、2023年6月現在では美容鍼灸の情報は掲載することができません。
美容鍼灸は、小顔矯正やほうれい線などのシワの改善など、幅広い年代の方から注目されているだけにホットペッパービューティーを活用できないのは大きな痛手となります。
集客の動線として鍼灸ではないメニューのみをホットペッパービューティーに掲載し、来店してもらった後に鍼灸メニューを予約してもらう…という店舗もあるようですが、口コミに美容鍼灸についての情報を提示されてしまうと店舗側の掲載違反となってしまうこともあるのです。
このように、現状では人気の予約サイトに掲載できないといった問題もあるため、簡単に集客できないのが現状です。
美容鍼灸を売り出すための集客対策方法
最近ではインターネット広告が当たり前となっていますが、あはき法ではWEB広告を明確に制限させていない部分もみられます。
現在のところホームページは広告の制限対象とはなっておらず、美容鍼灸でも比較的自由に集客対策を行うことが可能です。
ホームページ対策は主に、Google検索の上位表示を目指すSEO対策が有効でしょう。
ホームページを運営するためには、デザインの編集やSEO対策の知識が必要となり手間もかかってしまいますが、コストを抑えて集客できる方法です。
美容鍼灸においてホームページ集客は、あはき法によって広告制限があるなかでも予約に繋がる方法ですので、積極的に対策を行いましょう。
まとめ
この記事では、美容鍼灸を経営されている方、あるいは開業を検討されている方に向けて広告の出し方や制限について解説しました。
あはき法によって鍼灸の施術は、保険適用であるかないかに関わらず広告が制限されます。
しかし、美容鍼灸は多くの方をターゲットにでき単価も高いため、売上UPに大きく関わるでしょう。
現状ではホームページ対策が有効な集客対策ですが、日々美容業界の広告事情は変化するので、常に情報をキャッチしておくことが大切です。
弊社では2023年7月に発表された、あはき業態向けのホットペッパービューティーの新サービスである『あはき柔整プラン』のご案内も行なっておりますので、お気軽にご相談ください。
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