アイリストして働く中で、いつかは自分のお店を持ってみたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
マツエクサロンは美容系サロンの中でも比較的に稼ぎやすい業種だと言われていて、独立開業するとスタッフ時代よりも高い年収を目指すことができるのが魅力です。
この記事では一人でサロンを開業しようとしている方のために、開業までの流れやサロン経営者が抱えやすい悩みと、その解決策について解説します。
株式会社CINGROUPではこれまで2,000店舗以上の美容系サロンをサポートさせていただいた実績があるので、ぜひ参考にしてください。
目次
マツエクサロンを一人で開業する方法
マツエクサロンの開業方法には、具体的に下記の3種類があります。
- 自宅開業
- 賃貸マンション/アパート開業
- テナント開業
どの開業方法にも気を付けるべきポイントがあるので、慎重に選択することが大切です。
自宅サロン
まず初めに自宅サロンを開業する際の注意点について2つご紹介します。
① プライバシーを守るのが難しい
② 美容所登録の申請が必要
プライバシーを守るのが難しい
自宅開業はもともと住んでいる家をサロン用に改装するので、プライベートと仕事の線引きが難しい形態です。
特に広告を出す際には自宅の住所を公開しなければならないので、防犯上の面で不安に感じる人も多くいらっしゃいます。
家族や同居人と一緒に住んでいる場合は、サロン運営を円滑に進めていくためにもしっかりと話し合いをする場を設け、協力関係を作ることが大切でしょう。
美容所登録の申請
マツエクサロン開業の際には、美容師免許の取得が必須であることはもちろん、自宅開業であっても美容所登録をしなければなりません。
美容所登録には保健所が定めるいくつかの基準があり、それを満たすと開業が許可される仕組みです。
詳細な条件は市区町村によって異なります、後で渋谷区を例に解説しますので楽しみにしててください。
賃貸マンション/アパート
次に賃貸マンションやアパートで開業する際の注意点についてご紹介します。
賃貸マンション/アパートでも自宅と同じように開業することは可能ですが、下記の3つのポイントを守る必要があります。
①集客が難しい
②近隣住民への配慮が必要
③開業の際に管理者からの許可が必要
④美容所登録の条件にあった内装の変更が必要
集客が難しい
防犯上の理由から集客する時に店舗の所在地を掲載することを許可していないマンションは多数あります。
また表札や看板を立てられないこともあるためお店の場所を認知してもらうのが難しく、集客に不向きな形態です。
近隣住民への配慮が必要
サロンには不特定多数の人が訪ねてくるため、同じマンションに住んでいる人たちは不信感を抱きやすいです。
やがてその不信感が苛立ちへと変化すると、些細なことがトラブルの火種になるかもしれません。
管理者からの許可を得ていても居住者の方からクレームをもらった場合、営業停止になる可能性もあるので、近隣住民の方に対しては特に配慮をして運営するようにしましょう。
開業の際に管理者からの許可が必要
賃貸マンションやアパートで事業を始める際には大家さんやマンションの管理人から許可を得る必要があります。
もし開業後に経営していることが発覚すると信用問題に発展し、強制退去を命じられることもあるので事前に許可を取るようにしましょう。
美容所登録の条件にあった内装に変更
賃貸マンションには原状回復義務があるため、大幅な間取りの変更ができない事にも注意が必要です。
美容所登録の条件に合った内装変更ができるかチェックしてから契約を進めましょう。
テナント
マツエクサロンを開業するなら、テナントを借りて経営するスタイルが最も良いでしょう。
テナントは駅周辺や繁華街などの人通りの多いエリアに建てられていることがほとんどで、比較的集客しやすい開業スタイルです。
テナント経営の注意点としては、開業資金が他の形態に比べて高いことが挙げられます。
開業の際には内装にかかる費用をなるべく最小限に抑え、売上を上げられるようになってから理想のイメージに合わせて模様替えをするとよいでしょう。
次の項目では開業スタイルごとにかかる家賃や初期費用についてご紹介します。
それぞれの開業方法にかかる初期費用
項目 | 自宅 | 賃貸マンション/アパート | テナント |
---|---|---|---|
物件取得費 | 0円 | 80万円~ | 100~150万円 |
内装費 | 50~100万円 | 50~100万円 | 0~200万円 |
備品費 | 20万円 | 20万円 | 40万円 |
初期費用 | ~150万円 | 230万円~ | 350万円~ |
初めは自宅開業にして軌道に乗り始めたらテナントを借りて開業するという手もありますが、自宅開業では集客が難しく収益性も低いため、モチベーションが長続きしません。
せっかく独立するなら思い切ってテナントで開業したほうが事業計画が立てやすくなり、仕事も楽しんでできるのでオススメです。
次の項目では開業までの手順について詳しくご紹介します。
一人で開業するまでの手順
一人で開業する際の流れは上記の図の通りです。
次の項目からは図の流れに沿って開業の手順を解説していきます。
1, サロンのコンセプトの設定
開業する際にはまず初めにサロンのコンセプトを設計しましょう。
コンセプトという言葉はよく耳にすると思いますが、はっきりと意味を理解している人は少ないと思います。
ビジネスにおけるコンセプトの意味について簡単にご説明しましょう。
コンセプトとは『誰に、どのような商品を、どのような形で提供するかを明確にした企画の構想・枠組み』のことです。
サロン開業に当てはめてみると具体的には次のようになります。
- 客数は何人くらいか
- 具体的な運営方針について
- 目標の売上や利益はどれほどか
- どのようなサービスを提供するか
- リピート率を上げるための施策案について
コンセプトを作成するとターゲットがより明確になり、集客対策を考えやすくなるでしょう。
またこのタイミングでコンセプトをもとに事業計画書を作成するのがオススメです。
事業計画書の作成は助成金/補助金の申請に役立たせることができます。
下記記事では開業資金の調達方法の一つである助成金/補助金の制度についてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
2, 開業エリアを決め物件を探す
次に開業するエリアと物件を決めていきます。
立地を決める際には、事前に設定したコンセプトと家賃の目安から自分に合ったものを選択しましょう。
ここで一つ注意点があります。
それは開業する場所はただ人が多いという理由だけで選択してはいけないということです。
その場所にどのような人が集まるのか、駅やバス停からの経路は分かりやすいかなど実際に足を運んでみてリサーチする必要があるでしょう。
インターネットで検索する
インターネットで探す際のメリット/デメリットについてご紹介します。
【メリット】
・Web内見は完全無料で利用できる
・毎日いつでも物件を探すことができる
・閲覧できる物件数は多く、全国の物件にアクセスできる
・事前予約をすれば代わりに社員がWebカメラを使って内見してくれる
【デメリット】
・更新された情報は反映までに時間がかかる
・インターネットに載らない物件情報が存在する
・質問をしたときに回答が返ってくるまでに時間がかかる
・物件周辺の雰囲気や物件の様子を自分で確かめられない
・最寄りの交通機関から物件までの道のりが確認できない
・Web内見の時にカメラの画質の粗さや手ブレが気になる
インターネットで検索をすると、物件の情報収集と内見にかかる時間や手間が省けるので、物件を直接回るよりも圧倒的に楽になります。
しかし物件に関するリアルな情報、ターゲットや競合店の存在などのサロン運営に関わる情報は実際に行ってみないと分からないので注意して活用しましょう。
不動産屋で探す
次に不動産屋で探す際のメリット/デメリットについてご紹介します。
【メリット】
・気になったところの確認や質問ができる
・物件の空気感や周辺環境を自分の目で確認できる
・インターネット掲載前の情報を知ることができる
・インターネットには載らない特別な情報を教えてもらえる
【デメリット】
・交通費や時間がかかる
・時間に制約があり、一日に回れる物件数に限りがある
・不動産屋が取り扱っている物件のエリアしか紹介してもらえない
まだ開業エリアの目星がついていない段階であれば、インターネットで多くの物件情報を集めてみるのも一つの手ですが、最終的には自分自身で確認することを忘れないようにしましょう。
開業サポートを利用する
1人で開業しようとすると分からないことや不安なことは必ず出てきます。
その際に誰か相談できる人が1人でもいると心強いでしょう。
相談相手としてはサロン経営をしたことがある経営者仲間か、マネジメントの知識を持った担当者が適切だと考えられます。
ホットペッパービューティーでは経営に詳しい営業担当からアドバイスをもらえたり、集客対策について相談をすることができるので、ぜひ活用してみましょう。
3, 内装工事
物件が決まったら内装工事の手配をしましょう。
内装工事は美容所登録の条件に合わせて行うことが大切です。
今回は渋谷区の美容所登録を例に解説します。
- 消毒設備の準備をする
- 流水設備のある洗い場を設ける
- 不浸透性材料を使用した床材や壁紙に張り替える
- 入り口近くで作業室を通過しない場所に待合室を作る
- 作業室面積13平方メートルの場合、作業椅子は1〜6台おく必要がある
- 採光/照明/換気設備の配置(作業場所の明るさ:100ルクス以上、炭酸ガスの濃度:0.5パーセント以下)
構造設備の基準は住んでいる地域によって異なります。内装工事前に一度保健所に相談しましょう。
4, 保健所に美容所登録の申請を行う
美容所登録の流れは上記の通りです。
【内装工事前に保健所に相談】
まずは物件の構造や設備が分かる図面を持って、保健所に相談しに行きましょう。
内装工事前に美容所開設の条件を聞いておくと、後から問題が発覚することもないので、美容所登録をスムーズに進めることができるでしょう。
また美容所登録で必要な提出書類の書き方で分からないことは電話で確認することもできるので気軽に相談してみましょう。
【保健所に開設届/開設手数料を提出】
開設届の準備が出来たら開業日の7日~10日を目安に管轄の保健所に提出しなければなりません。
提出する際には開設手数料として2万円を支払う必要があるので忘れずに用意しましょう。
【保健所による実地検査】
内装が完了し開業できる準備が整ったら、保健所の職員や衛生監視役員による実地検査を行ってもらいましょう。
図面や提出した書類をもとに面積や設備は規定を守っているか確認することが大切です。
【保健所から発行される確認書を受領】
実地検査に合格すると美容所開設の許可証が発行されます。
発行されるまでに数日かかる可能性もあるので、開業する2日前には検査を受けるようにしましょう。
5, 税務署に開業届を提出する
マツエクサロンを開業する場所が決まったら税務署に開業届を提出する準備をしましょう。
開業届の提出期限は開業した日から1か月以内ですが、前持って書類を揃えておくことで提出忘れを無くすことができます。
開業届を提出するまでの流れは下記の通りです。
①開業届の書類を入手して、必要事項を記入する
②税務署に提出する
それぞれ詳しく解説します。
開業届の書類を入手する
まずは管轄の税務署で書類をもらうか、国税庁のホームページからファイルをダウンロードするかして書類を入手します。
開業届は手書きで提出するか、パソコンで入力するかの二通りあり、手書きの場合は提出書類の他に控えも用意しておきましょう。
税務署に提出する
提出方法は次の3つの方法があります。
- 直接持参する
- 郵送で送る
- オンラインで提出する
直接持参する場合は必要書類を提出した後、受領印をもらって控えだけを持ち帰りますが、郵送の場合は控えを直接受け取れないので必要書類を送付するときに返送用封筒と切手も一緒に入れておきましょう。
オンラインの提出はe-Taxで申請します。
e-Taxとは国税に関する手続きをインターネットを通して申請できるシステムです。e-Taxからの申請には利用者識別番号が必要になるので注意しましょう。
6, 内装や機材を導入する
消耗品 | 備品 | 機材 |
---|---|---|
消毒液 | タオル | 加湿器 |
コットン | 鏡 | ステリライザー |
ティッシュ | 荷物かご | |
綿棒 | スリッパ | 施術用のライト |
まつ毛エクステ | 施術用のベッド | リクライニングチェア |
ツイザー | 施術用のイス | パソコン |
前処理剤 | ワゴン | 電話機 |
※上記はあくまで例です。他にも揃えるべき消耗品は多数あります。
物件が決まったら上記の道具や機材を集めましょう。
最低限必要なものをリストアップしてみましたが、購入する機材が少ないと感じた方も多いのではないでしょうか。
マツエクサロンは施術時に特殊な機械が必要ないので、機械の不調やメンテナンスなどによる追加費用もかかりません。
他のサロンよりも運転資金を抑えることができるのも開業しやすい特徴の一つと考えられます。
7, 集客対策を行う
内装が決まったらオープンに向けて集客を始めましょう。
集客ツールにはSNSやチラシなどがありますが、今回は知名度の高いサロン予約サイト、ホットペッパービューティーをご紹介します。
ホットペッパービューティーは大手広告会社、リクルートが運営している会社であり、CMや広告を利用した宣伝力で、今では知らない人はいないほど有名なサロン予約サイトへと成長しました。
ホットペッパービューティーは20代~30代の女性の利用者数が一番多く、年間予約数はヘアサロンで1億件以上、他の美容系サロンでは6500万件以上にまで及びます。
『美容系予約サイトといえばホットペッパービューティー』というイメージがユーザーにも浸透しているため、新規顧客やリピーターへのアプローチが容易です。
掲載することで狙っているターゲットが自然に集まりやすいお店へと変化し、集客課題で悩むことも少なくなるはずです。
8, オープンする
サロンをオープンしたら、用意しておいた開業届と一緒に青色申告承認申請書を揃えましょう。
青色申告は確定申告の時に使う書類で、提出すると青色申告特別控除や3年分の赤字の繰り越しができ、節税対策にもなります。
開業届と青色申告の提出は義務ではありませんが、十分なメリットが得られるので忘れず提出するようにしてください。
マツエクの個人経営は儲かるのか
個人サロンの平均的な売上額
売上 | 経費 | 利益 | |
---|---|---|---|
マツエクサロン | 50万 | 5万 | 45万 |
エステサロン | 100万 | 60万 | 40万 |
ヘアサロン | 70万 | 35万 | 35万 |
ネイルサロン | 40万 | 4万 | 36万 |
マツエクサロンのメニューは単価が低いものの利益率が90パーセントと非常に高く、利益を上げやすい業種といえます。
しかし安定して利益を上げるためには、客数を増やすことやリピーターを確保することが重要です。
売上が伸び悩んでいる時にはこのような施策を取り入れると良いでしょう。
・講習を受け、サービスの質を向上させる
・アイブロウなどのメニューを追加してメニューの単価を上げる
マツエクサロンはどの店舗も似たり寄ったりになりがちなので、競合店に負けないような工夫を凝らすことが大切です。
個人経営で目指すべき収入額
個人サロンで初めから目標の売上を達成させることは不可能に近いので、開業から一年半までの期間を目安に徐々に目標に近づけていきましょう。
具体的な収入ステップは、下記の通りです。
①開業直後から半年間は、赤字
②開業して半年から一年目までは、20~30万円
③1年目以降は、40~50万円
収入をもっと増やしたいのであれば、回転数を上げるためにスタッフを雇用することも考えましょう。
一人経営者の悩みと解決方法
時間がない
個人サロンを経営しているとこのような業務を一人で行わなければなりません。
・施術
・集客
・清掃
・売上管理
・予約管理
・商材の発注など
しかし全ての業務を1人で片付けようとすると時間が足りないので、毎日残業することになり仕事とプライベートの境界線があやふやになってしまいます。
仕事とプライベートのメリハリをしっかりさせるために、下記の3つの解決策をご紹介します。
①外注する
②効率化ツールを利用する
③スキマ時間を有効活用する
外注する
施術や清掃などは店舗で働いている自分にしかできませんが、集客対策やホームページの作成のような作業は、知識のある人に任せたほうが上手くいく事もあります。
他の人に任せたほうが良い業務は外注することも検討してみましょう。
効率化ツールを利用する
予約情報や顧客情報を管理する際にアプリを活用すると効率的に業務を遂行でき、人によるミスも少なくなります。
中でも、ホットペッパービューティーのサロンボードでは予約情報や顧客情報の管理以外にも次のようなサービスが利用できるのでオススメです。
・レジ機能
・集計/分析機能
・スタッフの求人作成/管理機能
・いつでもネット予約ができる機能
・メッセージを自動送信できる機能
小規模サロンでは人手が足りず、業務効率化を課題としている店舗も多くあります。
サロンボードはホットペッパービューティーに掲載していると無料で全ての機能を使用することができるのでぜひこの機会に検討してみてください。
スキマ時間を有効活用する
予約の間のスキマ時間にできることを考え、その日にやらなければいけないことを順序立てて終わらせていく方法もあります。
ここで注意しなければならないのは休憩時間の使い方です。
ストイックになりすぎて休憩時間を削ってでも残った仕事を終わらせようとする人も出てくるでしょう。
しかしマツエクは集中力の必要な作業なので、休憩時間はしっかり休息を取り、施術ごとに集中できる環境を作ることが大切です。
相談できる環境がない
経営者は困ったときに相談できる相手が少なく、孤独に感じやすいものです。
一人でサロンを開業する際に悩みを相談できる相手や環境がないと前向きになれず、挫折してしまうかもしれません。
サロン経営者同士の繋がりはお互いに良い刺激を与えることもあるので、セミナーへの参加や集客媒体の担当者に相談するなどして人脈、コミュニティ形成に努めましょう。
経営のノウハウを学ぶことができない
経営のノウハウを自己流で身に着けていくことは難しいので、サロンを開業する前にマーケティングやブランディング、組織論についての本を熟読し知識をつけておく事が必要です。
また開業した後に経営に関する疑問が生まれた場合は、サロン経営の知識や経験がある方に相談して経営戦略を練ってもらうのが良いでしょう。
ホットペッパービューティーではサロンごとに専属のアドバイザーがついてくれるので、いつでも安心です。
まとめ
目元を綺麗に見せたい需要は加速度的に高まっているため、今後も市場規模の拡大が期待されているマツエクサロン。
マツエクサロンは正しい経営の知識を持っていれば個人経営でも十分に収益を上げることができ、新規参入しやすい業種だとも言われています。
個人サロンが激しい価格競争の中で生き残っていくためには、サロンのウリや強みを分析し、集客対策に反映させていくことが必要不可欠です。
ホットペッパービューティーでは、開業や集客に関するお問い合わせを受け付けています。まずはお電話、WEBでお気軽にご相談ください。
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