ネイリストとして活動している方の中で、独立を検討している方の中には『面貸し』という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか？
理想とする働き方を考えて見た時に、店舗を持つよりも面貸しの方が、リスクを少なく独立できる可能性もあるかもしれません。
この記事では、ネイリストが面貸しを利用する際のメリットやデメリット、料金相場について解説します。
CIN GROUPでは、これまで2,000店舗の美容サロンの集客/経営サポートを行なってきた実績があります。また、独立希望の方向けの新サービスの紹介もいたしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
面貸しとはどのようなサービス？
面貸しとは、貸しスペースや座席を貸し出すサービスのことを指します。
空席やスペースの有効活用をしたい美容サロンオーナーが、アイリストやネイリストに貸し出すケースが多いです。
貸し出す側は美容室の場合が多く、アイリストやネイリスト向けに貸し出されているケースが多いでしょう。
面貸しとシェアサロンの違いはある？
面貸しと似たようなサービスでは『シェアサロン』や『レンタルサロン』と呼ばれるようなサービスがあります。
同じような意味合いで使用されることもありますが、厳密には下記のような違いがあることを覚えておくと良いでしょう。
- 面貸し：すでにあるサロンが空席やスペースを貸出す
- シェアサロン：空間をシェアするイメージ（主に美容師/アイ/ネイル向け）
- レンタルサロン：個室をレンタルするイメージ（マッサージ/エステ/整体向け）
先にも述べているように、面貸しは美容室が空席を他の個人事業主の方に貸し出すイメージです。
しかし、シェアサロンやレンタルサロンは、場所全体が貸し出す目的でありシェアサロンは空間を、レンタルサロンは個室であることが多いと言えます。
美容師免許が必要なスタイリストやマツエクなどは、美容所登録の関係で広さの条件が必要なためシェアサロンの形態で運営されます。
そして、レンタルサロンは個室を指すことが多く、リラクゼーション系やエステ向けであると言えるでしょう。
面貸しは違法なのか？
「美容室の面貸しは違法なの？」と疑問に思われる方もいらっしゃいますが、面貸しサービス自体は違法ではありません。
しかし、下記のように注意が必要な場合もありますので、貸す側と借りる側も抑えておくと良いでしょう。
- 資格の有無
- 保健所の届出の有無
- 雇用関係
- テナント上の問題
まず、資格についてですが美容室を運営する場合、保健所に美容所登録を行う必要があります。
また、当たり前ではありますが、ヘアカットを行うスタイリストや、マツエクの施術を行うアイリストは美容師免許が必要です。
上記のような施術を提供する方に貸し出す場合には、美容師免許を持っているかを確認しなければいけません。
ネイルのみの施術を行う場合には、美容師免許は必要ないため、どなたにでも貸し出すことは可能です。
さらに、面貸しの場合はオーナーと借主側に、業務委託のような雇用関係はないため、店舗運営に関わる業務は一切行う必要はありません。
法律面では問題ありませんが、貸主側がテナントなどで場所を借りている場合、契約で股貸しが禁止されていることもあるため、注意が必要です。
面貸しにおいて、貸主と借主の双方の注意点については、下記記事でも詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。
面貸しサロンを利用する際の相場
面貸しのシステム
面貸しの場合は、数ヶ月〜1年程度など一定の期間に応じて契約を行うことが多いです。
シェアサロンの場合は数時間単位で借りることも可能ですが、面貸しの場合は貸主側が不特定多数の方の出入りが運営上の問題となることも多いため、一定期間での契約となります。
契約の細かい条件は、貸主と借主の双方が話し合って決める場合が多く、厳密には決められていません。
ネイリストの面貸し相場
それでは、面貸しの料金体系と相場について紹介します。
- 時間制：◯◯分/◯◯時間〜
- 日にち制/月額制
- 歩合制：毎月の売上の〇〇%（パーセント）
時間貸しの場合は1時間から選択するケースが多く、30分単位や1分単位で貸出を行っている店舗もあります。相場観としては、立地や設備によって1,000〜5,000円と幅広いことが特徴です。
1日単位や月額制で借りる場合には、1日1万円〜、月額5万円〜が多いでしょう。
売上から引かれる場合は、毎月の売上から10～40%分など条件によって変動するケースが一般的です。
ネイリストが面貸しを利用するメリット/デメリット
アイリストの方が面貸しを利用する前に、メリットとデメリットを知っておくことが失敗を防ぐポイントです。
メリット
- 初期費用や固定費を抑えることができる
- 営業開始まで時間がかからない
- リスクを抑えて独立できる
- サロンとの連携が上手くいけば集客に繋がる
ネイリストとして開業を目指している方の中には、店舗での運営を考えている方もいらっしゃるかもしれません。
店舗での開業にかかる初期費用は数百万円以上かかることも珍しくないですし、家賃や水道光熱費などの固定費も大きくなります。さらには、内装工事や店舗の契約に時間がかかるため、数か月間の準備期間が必要です。
面貸しの場合は、契約が完了すればすぐに営業を開始することができますし、初期費用を大幅に抑えることができるため、リスクを最小限に抑えることができます。
また、ネイルの施術を行っていない美容室を借りる場合は競合にもならず、美容室側のお客様を紹介してもらえるケースも高まるでしょう。
環境が整っている店舗で運営できることから、比較的集客がしやすいことが魅力的です。
デメリット
それでは、デメリットについても見てみましょう。
- 確定申告などが必要
- 社会保険や福利厚生がない
- サロンの条件に合わせる必要がある
- 風評被害やブランディングリスク
- 集客対策を自分で行う必要がある
基本的には業務委託契約を結んだり、オーナーとの雇用関係が生まれるわけではないため、運営に関わることは全て借主側で行わなければいけません。
例を挙げると、集客のための広告出稿や確定申告などでしょうか。
もちろん、個人事業主として働くことになるため、社会保険や福利厚生もないため、それらの申請も自分自身で行う必要があります。
営業時間や設備利用に関しては、貸主側のサロンの条件に合わせなければいけないため、気になる点はなるべく契約の段階で確認しておきましょう。
また、ブランディングが難しかったり、貸主側のサロンが何か重大な問題を起こした時には風評被害を受ける可能性もあります。
上記のようなデメリットがあることも考慮して、自分が理想とする働き方に合うかどうかを見極めることが重要です。
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