鍼灸師の資格を取ろうと思っている方や、すでに鍼灸院で施術者として働いている方の中には、独立開業を目指している方も多いでしょう。
鍼灸は東洋医学は東洋医学の治療法の一つで、患部の治療では保険適用が認められています。
近年の急速な高齢化による需要の増加はもちろん、保険適用にはならない美容領域でも注目されているのはご存知でしょうか?
特に都会での開業や、若い方をターゲットにして開業を検討している場合、美容鍼の施術を取り扱っている方が多いです。この記事では、これから独立を検討されている方に向けて、鍼灸業界の変化や美容鍼、開業の流れについて解説します。
CIN GROUPでは、鍼灸院を含む約3,000店舗の美容サロンの集客/経営サポートを行なってきた実績があるので、ぜひ参考にしてください。
目次
美容鍼の独立開業は失敗しやすいと言われる理由
リサーチ不足により競合との差別化ができていないから
鍼灸業界に限らず、どのようなビジネスでも他店との差別化ができていないと集客数を増やすことはできません。
他店舗のコンセプトやメニュー、どのようなお客様をターゲットにしているのか、サービスや集客対策などはどのように行なっているのかなどを丁寧に分析することが大切です。
厚生労働省のデータによれば、はり・きゅうを行う施術所は2014〜2016年にかけて10%も増えており、年々競合数は増えています。
それだけ、どのような鍼灸院の経営がうまくいっているのか、失敗しているのかを把握することが大切だと言えるでしょう。
仕組化できていないから
鍼灸院のような治療院は、1人で経営している方も多くいらっしゃいます。
しかし、個人経営の場合は集客対策や売上の把握、その他の細かい仕事で作業が多すぎて、経営に最低限のことしかできていないというケースが多いです。
そのため、集客対策、予約/売上/顧客管理などはホットペッパービューティーのようなツールを活用して効率化させることを検討すると良いでしょう。
ホットペッパービューティーは、2023年まで鍼灸院を含むあはき業態での掲載はできませんでしたが、新しくあはき柔整プランが発表されたことにより、自由診療の鍼灸メニューの掲載が可能になりました。
業務効率化ツールであるサロンボードも無料で利用できるので、興味がある方は下記のバナーからお問い合わせください。
独立開業しても年収が上がらないことがあるから
求人ボックスのデータによれば、鍼灸師の正社員の平均年収は382万円のようです。
独立開業した方の正確なデータはありませんが、経営者の平均年収は400〜800万円ほどになるでしょう。しかし、開業してからすぐに経営が軌道に乗るわけではく、安定した収益の確保には2〜3年かかるケースも珍しくはありません。
最悪の場合、赤字になることでスタッフ時代よりも厳しい生活を余儀なくされることもあるでしょう。こうした現実から「開業しない方が良かった。」という人も決してゼロではないのです。
美容鍼の独立開業前に必要なこと
まず、鍼灸院の開業で必要なものは、鍼灸師の国家資格を保有していることとCCの実務経験があることです。
資格を取得する
先述しているように、鍼灸院を開業するためには鍼灸師の国家資格が必要です。
まだ取得していない方は、専門学校に通い、国家試験に合格することを目指しましょう。
実務経験を積む
必要とされる実務経験は1年とされていますが、3〜5年程度は施術者として働いてから開業するケースが最も多いです。
実際に施術者として働くことで、お客様との接し方や顧客ニーズを学ぶことができます。
独立して成功したいという方は、経営者目線で『良い鍼灸院にするにはどうしたら良いのか?』という視点が重要です。
さらに接客だけでなく、集客対策や経理関係などの経営に関わる全般の知識も身に付けなければいけません。
開業自体は、国家資格を持っていれば比較的簡単にできますが、安定した利益を出すためには経営の知識を身につけましょう。
鍼灸院を開業する手順
この項目では、鍼灸院を開業するまでの流れについて解説します。
資金の確保
開業したいと思ったら開業資金を貯めるところから始めてみましょう。
必要となる開業資金の全額を用意する必要はなく、国庫や銀行からの融資を得て開業することが一般的です。
自己資金が全くないと融資を受けることは難しいので、最低でも3割程度を貯めることを目標にしてください。
ある程度自己資金を貯めることができたら、具体的に国庫や銀行からの融資を検討しましょう。
弊社でも、融資の相談を承っておりますので、お気軽にお問合せください。
助成金の活用も検討する
すでにスタッフを雇っている場合や、これから雇う予定がある方は助成金の申請も検討してみると良いでしょう。
助成金は申請条件がクリアしていれば受給でき、使用目的も限られていないことが魅力的です。毎年申請を出すこともできるので、自分の店舗が申請できるかどうかを確認してみると良いでしょう。
ただし、あくまで従業員の雇用環境の改善を目的としているため、個人経営の場合は助成金の申請はできないので注意が必要です。
下記のお問い合わせバナーから、助成金の申請フォームに遷移可能ですので、助成金について興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
施術管理者の申出の届出
以前までは鍼灸師の国家資格を保有しているだけで開業できていましたが、現在は開業するエリアを管轄する厚生局に『施術管理者の申出』の届出をしなければいけません。
さらに実務経験の他に、施術管理者研修の受講が必要です。
開業場所を決める
開業調達や施術管理者の届出を提出したら、開業場所を決めましょう。開業を決める時は、大きく分けると2つの方法が一般的です。
- 店舗での運営
- 自宅での運営
美容サロンとは違うのは、大幅に内装を変更しなければいけないので、賃貸マンションでの経営は難しいでしょう。
店舗を借りての営業を検討している方は、開業エリアによって大きく集客に影響してしまうためエリア選定がポイントです。
駅の近くにするのか?住宅街の近くにするのか?といった顧客のニーズを理解し、集客を見込める場所を選ぶことが大切です。
内装工事/設備の設置を行う
鍼灸院の開業条件に見合う施術スペースの確保、消毒設備、パーテーション(仕切り)の設置などが必要になります。
開業する前には保健所の確認が必要となるので、規定に合わせて工事を行うことが大切です。
内装工事業者を選ぶ時には、鍼灸院や整骨院の施工実績がある業者に依頼しましょう。
弊社では、関東や関西など都市圏エリアで、治療院の内装工事に強い業者の紹介も可能ですので、お気軽にお問合せください。
開業届/青色申告の提出
内装や設備を導入したら、管轄の税務署に開業届を提出しましょう。事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されています。
提出しないことによる罰則などはありませんが、公的な支援や税金の軽減措置なども受けることができなくなってしまうため、必ず提出しましょう。
個人事業主は青色申告をすることで控除額が大きくなり、最終的に支払う税金が少なくなる制度があるので、こちらの提出も忘れずに。
広告制限を理解した集客対策
鍼灸院は広告に掲載できる内容が制限されています。そのため、積極的に広告を出す集客対策が難しいのが現状です。
しかし、全く集客対策をしなければ、お客様を増やすことはできないので戦略的に集客対策を行いましょう。
下記記事では、鍼灸院の集客対策やマーケティングについて解説しているので、併せて参考にしてください。
美容鍼の独立開業にかかる費用相場
開業する場所やテナント料によって異なるため、費用相場は300〜1,000万円と幅広いです。
東京や大阪のような都市圏で開業する場合であったり、自宅を鍼灸院として改装して経営する場合などによってかかる費用は変わってしまいます。
初期費用として挙げられるのは、下記のような項目です。
- 店舗の賃料
- 内装工事
- 器具や設備
- 水道光熱費、通信費
- 宣伝広告費
店舗を借りる際には、保証料や契約手数料を考慮すると、家賃12ヶ月分が初期費用の相場です。
さらに、鍼灸院を開業する場合、施術スペースや仕切りなどの条例を守らなければいけないため、内装工事が必須となります。
また、多くのお客様に来てもらうためには、ホームページの制作やクーポンサイトへの掲載は必須です。
自宅で美容鍼の独立開業のメリット・デメリット
メリット
自宅で美容鍼灸院を経営するメリットをまとめると下記の通りです。
- 家賃や光熱費の費用を抑えることができる
- 通勤時間がかからない
- リスクを抑えられる
自宅で経営する一番のメリットは、家賃や光熱費の固定費を削減できることです。もちろん、自宅で経営する場合においても、使用している面積や使用量の割合から、支払っている家賃や光熱費の一部を経費に計上することができます。
固定費を削減できるということは、それだけリスクを小さくできているので、失敗した時にも再出発するまでの期間を短くすることもできるでしょう。
いきなり店舗経営を行う時には、それだけ費用が発生するため、融資(借金)をして開業することにもなります。経営がうまくいかずに閉店となると、長期間の返済に苦しむことにもなるかもしれません。
自宅でもリスクはゼロではありませんが、最低限の損失で抑えられることは大きなメリットです。
デメリット
一方でデメリットをまとめると下記の通りです。
- 施術環境の条件がある
- 改装費用が発生する
- 防犯リスクがある
自宅サロンで開業する場合においても、下記のような条件を満たす必要があります。
【条件例】
①6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること。
②3.3平方メートル以上の待合室を有すること。
③施術室は、室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得ること。ただし、こ
れに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りでない。
④施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること。
各自治体によって条件は異なる可能性があるので、自宅で開業する前に事前に確認しておきましょう。
そして、場合によっては自宅を改装したり、大規模な内装工事を行うケースでは、店舗運営と同じくらいの初期費用がかかることもあります。加えて自宅で施術するということは、来院される方に住所を公開しなければいけないため、防犯対策も重要です。
美容鍼の独立開業で成功するためには?
資金計画をしっかりと立てる
開業を検討する段階で、どのくらいの資金が必要になるのかを把握しておくことは、大きな失敗を減らすためにも重要です。例えば、店舗経営を目指しているならば、1,000万円近くの初期費用が必要になるでしょう。
その後にどのくらいの自己資金を用意するべきか、残りは融資を受けるのかなどを決めることになります。
ちなみに融資を受ける際には、最低でも2〜3割程度は自己資金がないと融資は通りづらいと言われているので、上記の場合は200〜300万円程度は資金を用意しておきましょう。
もちろん、融資を受けるということは返済義務も生じることも忘れてはいけません。
美容鍼の出張専門で独立開業も1つ手
鍼灸師は『出張施術業務開始届(出張届)』を提出することで、出張鍼灸師として活動することができます。
店舗や自宅で経営する場合には開設届を出さなければいけませんが、出張専門の場合には開設届は必要ありません。ちなみに、すでに鍼灸院を経営している場合には『出張施術業務開始届(出張届)』を提出しなくても出張することが可能です。
出張専門の場合は店舗をもつ必要もなく、お客様の自宅やレンタルスペースをうまく活用することで費用を抑えながら収益を確保することができます。
さらに、客先で施術する場合は、単価を高く設定しても集客しやすいのでおすすめです。
ホットペッパービューティーを使って仕組化を行う
ホットペッパービューティーでは、2023年まで鍼灸の掲載は不可能でしたが、自由診療のメニューに限り新プランである『あはき柔整プラン』で掲載可能に変更となりました。
もちろん、予約や顧客管理ができるサロンボードも無料で利用できるので、ホットペッパービューティーを使って業務効率化を目指したい方はぜひお問い合わせください。
自由診療のみの掲載ではありますが、多くの方に店舗を認知してもらうチャンスとなり、保険適用の診療の時にも選ばれやすくなるといったメリットもあります。
特に美容鍼は、美容の集客に強いホットペッパービューティーと強い親和性があるので、掲載を検討してみると良いでしょう。
まとめ
この記事では、鍼灸業界の現状や具体的な開業手順について解説しました。
年収アップを目指して独立を検討されている方は、保険適用の施術をメインとして取り扱うだけでなく、美容領域に特化することも有効な手段の一つです。
しかし、保険適用でなくても鍼灸の施術は、広告の制限があるため、戦略的に集客対策を行う必要があります。
弊社では、鍼灸院向けのホットペッパービューティーのプラン『あはき柔整プラン』についてのご案内もしているので、お気軽にご相談ください。
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