エステサロンと聞くと女性が通う場所というイメージを強く持たれる方もいらっしゃいますが、近年では男性も気軽に通える店舗が増えています。
男性客がエステサロンに通う目的は様々ですが、需要が急増していることは事実です。
この記事では、メンズ向けのエステサロンの開業を検討している方に、メンズエステの開業する前に知っておくべきことや、儲けるためのポイントなどについて解説するのでぜひ参考にしてください。
弊社では、これまで2,000店舗以上の美容サロンの集客/経営サポートを行ってきた実績があるので、ぜひ参考にしてください。
メンズエステの概要
メンズエステを開業しようと思っても、思い浮かべる店舗イメージは異なるので、どのようなスタイルなのかを明確にした上で、開業の道筋を立てることが大切です。
メンズエステの種類
イメージしやすいようにざっくりと運営スタイル(業態)を分けると下記のようなイメージです。
- 美容系のメンズエステ(例:脱毛/ネイル/フェイシャルサロンなど)
- リラクゼーション系メンズエステ(痩身/マッサージ/整体など)
- 風俗系メンズエステ
- (グレーゾーンのエステ)
上記のように、大きく分けると『健全』か『不健全』であるかが、メンズエステを開業する上で明確にしておくことが大切です。
性的なサービスを提供する店舗はいわゆる『メンエス』と呼ばれることが多く、無許可で営業してしまうのは違法となります。
この記事では、健全なメンズエステ向けのサロンの開業を前提に解説しますが、気を付けておくべきポイントを伝えるために両方の例を交えて紹介します。
開業/施術は資格は必要?
脱毛/ネイル/痩身/リラクゼーション/フェイシャルサロンなどは、特別な資格を持っていなくても開業/施術を行うことが可能です。
資格が必要な業種で言えば、まつ毛や眉毛の施術を行う美容室やアイラッシュサロン、保険適応の施術を行う整骨院は、それぞれ美容師免許や柔道整復師などの資格が必要となります。
ただ、エステサロンと聞いてイメージする業態は基本的に資格はいらないので、メンズエステの開業は挑戦しやすいことが魅力的です。
メンズエステの開業は儲かる?
儲かると言われている理由
メンズエステが儲かると言われる3つの理由としては、主に下記の3点が挙げられます。
- 単価が高い(利益率が高い)
- メンズ需要が増している
- 競合が多くない
まず、最も大きいのがターゲットが男性の場合は、単価が高くなりやすい点です。
これは男性の方が女性よりも年収が高い、化粧品のコストが小さい、女性店員を前にすると見栄を張りやすいといった特徴が挙げられるでしょう。
もちろん金銭的なことだけでなく、「外見を良くしたい。」、「癒されたい。」のように女性と同じような悩みがあり、解決策としてエステサロンの需要があるのです。
加えて、業種にもよっても差はありますが、まだまだメンズ向けのエステサロンは競合が少ないため、ターゲット層によってはかなり集客しやすいと言えます。
例を挙げると、脱毛サロンは飽和状態ではありますが、ネイル/フェイシャルなどはまだまだ男性向けのメニューが少なく狙いやすいと言えるでしょう。
経営者の年収は?
メンズエステサロンの経営者の年収は幅広く、開業したばかりだと赤字、経営が軌道に乗ってくると年収1,000万円を超える方もいます。
公的なデータはありませんが、経営が上手い方の場合は、年収3,000万円を超える方も多いです。
メンズエステという特性上、ターゲットを見極めて単価やリピート率を高めることができれば、繁盛店にすることも夢ではありません。
経営していく上での注意点
嫌がらせがあるかも知れない
健全な店舗だとしても男性をメインターゲットにしている場合、女性従業員に対するセクハラなどの嫌がらせがあるかもしれません。
特にスタッフが女性が多く、男性が女性からの施術を目的にしている場合は、嫌がらせを受ける可能性は高いです。
個室で施術を行う場合だけでなく、周囲の目がないところには防犯カメラを設置するなどして対策も必要でしょう。
従業員の安全を守る
上の項目に被る部分もありますが、女性スタッフに近寄ることを目的のお客様もいらっしゃるため、防犯対策や従業員を守る環境を作ることが大切です。
防犯カメラや施術前の同意書による予防策、もしトラブルが発生した時の弁護士相談などの対応が挙げられます。
さらには、トラブルまで発展させないための接客マニュアルや、従業員とコミュニケーションを密に取り、早期に問題を発見することもポイントです。
性的サービス等のグレーゾーン営業はリスクが大きい
先述している通りではありますが、一見すると健全な店舗だとしても、裏メニューやオプションで性的サービスを提供している店舗もあります。
また性的サービスを提供していない場合においても、肌の露出やお客様との接触が多いなども問題になる可能性が高いです。
風営法に違反していたり、グレーゾーンの営業は摘発の対象となる可能性があり非常にリスクが高いので注意しましょう。
また、経営者が健全な店舗運営を目指していても、女性スタッフが問題を起こしてしまうと経営者が逮捕されるケースもあり、スタッフのマネジメントも重要です。
広告が掲載できない場合もある
施術内容は健全だとしても、スタッフ写真で女性の胸元を強調したり、露出が多い服を着用した画像を広告として掲載することはできない場合があります。
例を挙げるとホットペッパービューティーでは、顔を移さずに身体のみを移した画像などは審査に引っかかる可能性が非常に高いです。
他にも、ホットペッパービューティーに掲載している画像は問題なくても、風俗店を紹介するサイトにも広告を掲載していたりすると、違反となり掲載できないといった例もあるので注意しましょう。
開業までの流れ
この項目では、実際に開業前の流れについて簡単に解説します。
紹介している順番通りでなくても問題はないため、状況に合わせて臨機応変に対応しましょう。
オープンの目安の日付を考える
店舗の開業を本格的に検討し始めた段階で「○○月にはオープンしたい!」とオープン日の目標を設定しましょう。
オープン日を決めることで「○○日までにはこれをやる。」のように達成までのイメージが明確になり、モチベーションにも影響します。
開業の成功は、綿密な計画と準備段階でほぼ決まりますので、緊張感を持ってオープンに望みましょう。
開業資金を貯める
オープンの目安が決まったら、開業に必要な資金を貯めることになります。
明確には決まっていなくても希望のエリアや、サロンの規模を考慮してどのくらいの予算がかかるかを調べましょう。
東京の都心部を想定した場合、開業に必要な初期費用は500〜1,000万円程度です。
ただし、オープンまでの段階で全額自費で負担する必要はなく、日本政策金融公庫からの融資を活用することで負担を軽減させることができます。
もちろん、全額分の融資を受けることはほぼ不可能のため、2〜4割程度の資金を貯めておくと安心です。
ターゲットを明確にする
開業資金を貯めながら、どのような顧客をターゲットにしたいかを明確にすることが大切です。
ターゲットを決める有名な方法として『ペルソナ設定』というものがあります。1人の顧客像から来店したいと思わせる店舗づくりをイメージしてみましょう。
- 年齢
- 価値観
- 休日の過ごし方
- 年収/趣味/家族構成
- 悩み/コンプレックス
- どうやって情報を集めているか(良く使うSNS)
上記のような項目を設定し、来店してほしい顧客像を具体的にイメージしてみるのです。
設定した人は、どのようにしてあなたのお店を発見して、何をきっかけに来店しようと思ったのかをイメージすることで、集客対策やメニューの設定などをスムーズに行うことができます。
競合調査/市場調査を行う
決めた集客ターゲットを集客するために効果的なエリアはどこか、他の競合店舗はどのように運営をしているのかを調査しておきましょう。
この時に注意したいのは、「競合店舗が少ないエリアだから。」、「家賃が安いから。」という理由で場所を決めることです。
競合が少ない = ターゲットとなる顧客層を獲得できないエリアかもしれない
家賃が安い = 人通りが少ない、人気がないかもしれない
自分だけの考えだけでなく、出店予定エリアや美容業界に詳しい人に聞いてみたり、実際に競合店舗に行ってみると新しい発見につながるでしょう。
物件を契約する
競合調査や市場調査を行った上で、集客できなそうなエリアを見つけたら、賃貸契約を行いましょう。
貸店舗を借りる方法以外には、資金を抑えられる賃貸マンションや自宅サロンでも運営は可能です。
ただメンズ向けのサロンでは、トラブルに発展する可能性が高いこともあり、基本的にはセキュリティーが強い店舗型での運営となるでしょう。
内装/機材/備品を揃える
店舗を契約することができたら、内装工事を行ったり、機材や備品を揃え始めましょう。
脱毛や痩身の施術がメインの場合は機器の導入、リラクゼーションがメインならばベッド、その他必要なものをリストアップして、オープンまでに準備し忘れがないようにリストを作るのがおすすめです。
この段階では、開業前の段階でも様々な費用が発生しますが、経費として計上することができるので、帳簿に記録しておくことも忘れずに!
開業届を提出する
内装や設備の導入を進めている段階で、オープン日も決まってくるはずです。
このタイミングで開業届を準備しましょう。開業届は事業を開始してから1か月以内と決められています。
しかし、『開業日』は明確な基準がなく、お客様を入れていなくてもタイミングが良い時を開業日として提出することが可能です。
事業を開始してから1か月以内とされているので、実際にオープンしてから提出しようとすると忘れてしまう方も多いため、オープン直前の準備段階に提出することをおすすめします。
参考:開業届を出すタイミングは?個人事業主なら知っておきたい開業届について
スタッフを採用する
スタッフを雇う場合は、準備期間中に募集を出しておきましょう。
友人や知人で集められるならば問題ないですが、理想とする人材を採用するのは予想以上に難しいです。
費用はかかりますが、効率よく求める人材を確保するためには、美容系求人媒体で有名なリジョブを活用すると良いでしょう。
集客対策を始める
オープン日の1〜3ヵ月前からは、集客対策のために広告を出しておくことがポイントです。
美容系ならばホットペッパービューティーが最も集客効果が高くおすすめ。
ホットペッパービューティーは広告としての役割だけでなく、無料で予約/売上管理システムを利用できることも魅力的です。
掲載には毎月の掲載料金が発生しますが、美容業界の集客では必須とも言えるサービスですので、ご興味ある方はぜひ検討してみてください。
【事例】儲けるには『顧客ニーズ』を理解する
顧客の目的/需要を理解する
メンズエステに限らず、集客のポイントはターゲットのニーズを理解し「来店したい!」と思わせることが重要です。
メンズ向けのサロンを利用する男性の目的(深層心理)を考えてみましょう。
- 女性に施術してもらうのは恥ずかしい
- 綺麗な女性に施術してほしい
- 女性の意見を聞きたい
- 癒しを求めている
- 女性との接触を求めている(グレー店舗)
大きく分けると上記のようになります。
女性の前で身体を見られたくないという声もあり、脱毛や痩身サロンでは男性施術者を希望される方も多いです。
リラクゼーションサロンでも、身体の疲れを癒したい方は、力が強めの男性を希望されることも多いでしょう。
もちろん、女性を希望される方は多いですが、しっかりと顧客のニーズを理解した上で集客対策をすることが大切です。
それでも女性スタッフの人気はすごい
ただやはり、メンズ向けのサロンで集客が上手い、売上が大きなサロンは女性スタッフをアピールしている店舗が多いです。
もちろん、文字でわかりやすくアピールはしていないですが、スタッフは容姿が良い方が多く、服装/顧客との距離感を写真でアピールしていることも決して珍しくありません。
男性向けを強くアピールしていないサロンでも、女性スタッフは男性の固定客が付きやすく、来店する男性の7割は女性スタッフを指名するほどです。
そのため、女性をアピールする店舗では『男性専門』としなくても、ほぼ顧客層は男性となります。
確かに男性をターゲットにしている場合は効果的な集客方法とも言えますが、リスク管理を忘れないようにしましょう。
まとめ
この記事では、メンズエステを開業したいと思っている方向けに、儲けるためのポイントや注意しておくべき点などについて解説しました。
メンズエステは、単価が高く固定客として定着しやすく、利益率が高いサロン運営を実現することができます。
しかし、利益にこだわりグレーな運営方法をしてしまうと、逮捕されたり、大手の集客媒体に広告を掲載できなくなったりなどのリスクも…。
安全な店舗運営を行うために、顧客ターゲットの選定とリスク管理も考えた上で、経営を行うことが大切です。
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